【デトロイト(米ミシガン州)8日(日本時間9日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(24)が、タイガース戦に2試合連続の「3番指名打者(DH)」で出場したが、3打数無安打、1死球に終わった。これで復帰戦から2試合で7打数無安打1打点、4三振。この2試合で大谷の変化はどこに見られるか。今季の大谷の気になる点を探った。

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大谷に早くもヒヤリとするシーンが訪れた。6回2死、左腕ボイドの141キロの内角ツーシームが、昨年手術をした右肘に当たった。

「かすった感じだった」と、幸いエルボーガードに守られ大事には至らなかった様子。死球後の打席での怖さについても「なかった。痛くもなかったので」と淡々としていた。ひと安心といったところだが、今季の大谷には、気になる点がいくつかある。

<1>ヘルメットとフェースガード 前日の復帰戦ではスイングをした際に2度、ヘルメットが脱げ落ちた。今遠征では2種類を使用しており、この試合は小さい方で臨んだが、また脱げそうになる場面があった。すぐに右手で押さえ、かぶり直し。まだ大きいのでは? それでも大谷は「いろいろ、やっているんですけどね。試したりとかもしてますけど」と特に気にしていない様子だった。昨季、1打席しか使用しなかったフェースガードについては、復帰前の練習から着用。「打席に立つ違和感もない。(死球の際の)予防なので」と視界への影響もなく、ケガ防止策であることを強調した。

<2>走塁時に右肘に装着する黒いプロテクター 患部保護のためのギプス的な器具。走塁時の突発的な動きなどで肘が伸びきらないようにするなど、肘の可動域を制限できる。オースマス監督は「非常に大事な右肘を守るため」と説明。1日に大谷は「着けないことに越したことはないですけど、周りの人(チームスタッフ)が安心してくれるなら、着けた方がいい」と話した。この日も死球で出塁した際に着用。走塁時にぎこちなさもなかった。

<3>シーズン初打席から7打数無安打 昨年まで毎年、シーズン3打席目までに初安打を放っていただけに、スロースタートだ。振り遅れてファウルになることも多く、この日も4打席目で右腕ヒメネスの154キロ直球にタイミングが遅れて空振り三振。「もうちょっとのところで、すれ違っている」と自己分析した上で、「打ちたい気持ちっていうのはもちろんありますし、1打席1打席、修正しながらいければ良い」と前向きに話した。心配するのは、まだ早い。