エンゼルス大谷翔平投手(24)が、得意の本拠地で今季初アーチを放った。ロイヤルズ戦に「3番DH」で出場。2点リードの6回1死一塁の第3打席、ジュニスの内角高め直球を完璧に捉えた。苦しめられた内角攻めを攻略する1発で、6試合連続安打もマーク。打者復帰してちょうど10試合目、待望のホーム弾となる2号2ランでチームの2連勝に貢献した。

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攻められ続けた内角球をさばいた1発。大谷はこう分析した。「ああいう内角のボールを、反応して本塁打にできるという確認がしっかりできれば、よりできることが広くなる」。基本的に外角球は長いリーチで捉えることができ、逆方向への打球が本来の強みでもある。加えて、内角でも1発がある怖さを示した。

同じような一撃が、メジャー1年目もあった。昨年4月27日、ヤンキースのエース右腕セベリーノの内角球を弾丸ライナーで右翼へ運んだ。それ以降、内角への攻めが一気に減った。ホットゾーンの真ん中から外だけでなく、インサイドも打てる-。あるア・リーグの捕手が「正直、どこが弱点なのか分からない」と、攻略法に頭を悩ますきっかけとなった打席だった。

右翼へ舞い上がったアーチ。大谷は「らしくはない」と表現した。確かに、右翼方向はドライブ気味のライナーかゴロになる傾向があるが、この日は理想的な角度(39度)でスタンドまで飛ばした。「結果的に本塁打にはなっているので、良いスイングだった」。状態が良い証拠でもあり、今季も相手バッテリーに重圧を与える一振りになりそうだ。【MLB担当=斎藤庸裕】