【トロント(カナダ)15日(日本時間16日)=四竈衛】ブルージェイズと正式契約を交わした山口俊投手(32)が、本拠地ロジャーズセンターで入団会見を行った。冒頭に「Hello(ハロー)」「Bonjour(ボンジュール)」「コンニチハ」と、英語だけでなく、カナダの公用語でもあるフランス語、日本語であいさつ。元幕内力士を父に持ちながら野球を選んだ理由として「お尻を出すのが恥ずかしくなった」とジョークを飛ばし、地元の大爆笑を誘った。

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ほぼ満点の“デビュー戦”だった。会見の壇上に上がった山口は、当初、緊張気味だったが、背番号1のユニホームに袖を通すと、ようやく笑みを浮かべた。会場が一気に和んだのが自己紹介。「ハロー」「ボンジュール」「コンニチハ」と3カ国語であいさつすると、地元報道陣の空気が変わった。

硬軟入り交ざった質問にも、スムーズに対応した。救援との併用案がある一方で、「先発ローテの1枠を勝ち取るつもりで臨みます」と明言。怖い者知らずの投球スタイルについては、「僕は大和魂と根性で育ってきたので、そこだけは負けないです」と通訳泣かせの日本語で決意を語った。また、日本人投手初の1桁となる背番号1への思いも口にした。「ずっと背負っていた11番と、1と言えば大事な背番号。高校野球までは1がエースナンバー」と、異国で再出発する意気込みをのぞかせた。

最後は、亡き父が元幕内力士(谷嵐)だったこともあり、野球と相撲への思いについても語った。野茂英雄、イチローらに憧れた少年期からメジャーを意識。「相撲に関しては、大人になるにつれて、失礼なのかもしれないですけど、お尻を出すのが恥ずかしくなってしまい、野球の方が格好いいなと思って、野球の道を選びました」。真顔でジョークを飛ばす話術には、関係者、地元メディアも大爆笑だった。

今後は数日間、同地でトレーニングを行い、ファン感謝イベントにも参加。帰国後、2月13日のキャンプイン(フロリダ州ダンイーデン)へ向けて本格的な準備に取りかかる見込みだ。