米大リーグ機構(MLB)は17日に行われたレンジャーズ-パドレス戦での騒動を受け、レンジャーズの救援右腕イアン・ギバウト投手とクリス・ウッドワード監督に出場停止処分を下した。背景にはいわゆる“暗黙の了解”をめぐる問題がある。

この試合では、パドレスが7点リードを得ていた8回に、フェルナンド・タティスJr遊撃手が満塁弾。ほぼ勝利を手中にしていた段階での1発に、ウッドワード監督は「一線を越えた」と述べ、不文律が破られたとの見解を示した。同監督は1試合の出場停止処分となり、18日の試合ではダグアウトに入らなかった。

球界には、ノーヒッターの懸かる試合でバントを行わない、大きくリードしている状況では盗塁を行わないなどの暗黙の了解が存在するが、パドレスのジェイス・ティングラー監督は試合後、「われわれは不文律を破るつもりはなく、勝利を目指しているだけ」とコメント。なお、ヤンキースのアーロン・ブーン監督はスポーツマンシップに基づくマナーの存在は認めたうえで「大昔に始まったもので、今は事情が異なる。多くは馬鹿げたものだ」と話している。

満塁弾の直後にマウンドに上がったギバウトは、続く打者のマニー・マチャド三塁手にボールを当てようとし、これが故意によるものと判断されて3試合の出場停止に。ギバウトは異議を申し立てており、18日の試合でもメンバー入りし、リリーフ登板している。(AP)