パドレスのダルビッシュ有投手(34)が、今季3試合目の先発で、7回3安打1失点1四球6奪三振と好投し、移籍後初勝利を挙げた。1点リードした3回2死から、連続長短打などで同点に追い付かれたものの、その後は無安打。味方打線が6回に3点を勝ち越し、7回にも2点を追加。危なげない投球でチームを4連勝に導いた。

前日、先発左腕モレホンが、故障のため、1回途中で緊急降板し、その後は救援陣がフル稼働。この日のダルビッシュに求められていたのは、できる限り長い回を投げ切ることだった。「連戦が続くし、早い回で降板するのだけは避けたいと思っていました」。昨季までカブスに3年間所属したこともあり、パイレーツは互いに手の内を知り尽くした相手で、積極的に振ってくる打者が多い。そんな打線に対し、少ない球数でアウトを取るためにも「3~4回まではコンタクトしてくれるよう」に配球。軸となるカットボール以上に、130キロ前後の球速帯のカーブ、スライダーを多投した。その思惑通り、4回まで52球と理想的なペースでアウトを重ねた。

エンジンが温まった中盤以降、要所では速球で攻め、3イニングで4奪三振。計95球で役目を終えた。試合後のティングラー監督が、「7回投げてくれたのは大きかった。すばらしかったし、勝ち星以上に、まさしく我々が望むことをやってくれた」と、絶賛を惜しまない登板だった。

順当であれば、次回登板は、同地区の宿敵でもある古巣ドジャース相手の16日(同17日午前9時40分開始予定)。公私ともに親交の深いサイ・ヤング賞3回の左腕カーショーと投げ合うことが確実視されている。現時点では正式発表されていないものの、ダルビッシュ自身も「カーショーの球を打席で見るのが楽しみです」と、ワクワク感を隠そうとはしない。「(昨年12月の)パドレスに移籍してからは(携帯)メッセージも来てません。ライバルチームですし、さすがプロだと思います」。

ナ・リーグ西地区は、早くも一騎打ちの様相を呈してきただけに、本調子に近づいてきたダルビッシュへの注目度は、一段と高まってきた。