レッドソックス沢村拓一投手(33)が、1回1/3を無安打無失点、1四球2奪三振の好リリーフで今季2勝目(0敗)を挙げた。

5-2の6回2死一、二塁、一打同点の場面で4番手で登板。いきなり四球を与え満塁のピンチを招いたが、3番アギラを1ボール2ストライクから93・9マイル(約151・1キロ)のスプリットで空振り三振。観客から大声援を受けた。そのまま7回のマウンドに上がり、3者凡退に抑えた。

球団公式ツイッターは、満塁で三振に仕留めたシーンの画像と動画を3連続でツイート。「ようこそ、沢村の刺激的な舞台へ」とつづった。同僚右腕オッタビノは「球界で最も速いスプリットだと思う。史上最速かもね」と沢村の最大の武器を絶賛し「打者は確実にファストボールだと勘違いする。とてもユニークな球だよ」と話した。

沢村はこれで今季22試合に登板し計24回を投げ2勝0敗4ホールド、防御率2・63、11四球33奪三振。奪三振率12・38で、被打率2割2分8厘となった。

◆平均は2位だが… 沢村のスプリットの平均球速は、ここまで今季メジャー全体で2位だが、1位のファミリアはわずか15球(全投球の4・6%)しか投げておらず、スプリットを武器にしている投手の中では最速といえる。沢村の球種割合は直球(フォーシーム)45%、スプリット34%、スライダー21%。また、4月13日のツインズ戦で記録した最速95マイル(約152・9キロ)のスプリットは今季トップで、バッターがスイングした数に対する空振り率は45・8%となっている。なお、エンゼルス大谷のスプリットの平均球速は87・9マイル(約141・5キロ)で全体10位。

◆沢村の直球 沢村の直球(フォーシーム)の平均球速は95・7マイル(約154・0キロ)でメジャー全体では78位。スプリットとは平均で4マイル(約6・4キロ)程の差となる。球の動きはフォーシームが横8・9インチ、縦12・5インチに対し、スプリットは横8・7インチ、縦28・5インチ。横の動きがほぼ同じなため、打者からは見分けがつきづらい。フォーシームを高めに投げる割合は、直球全体の約3割を占めている。コーラ監督は5月上旬に、沢村に高めの速球を増やすよう指摘していた。