エンゼルス大谷翔平投手(27)をめぐる差別的発言騒動で、タイガースのテレビ解説者ジャック・モリス氏(66)が18日、所属のバリースポーツ・デトロイトから無期限の出演停止処分を受けた。

モリス氏は、17日のエンゼルス戦6回に大谷が打席に入った際、大谷をどう攻めるか問われ「ベリー・ベリー・ケアフル(非常に、非常に、慎重に)」とコメント。しかしこの言葉が、アジア人特有の英語のアクセントをまねた言い方だったため、SNS上のファンや米メディアの間で炎上した。

同氏はこの批判を受け、9回の試合終盤に30秒間の長い時間をかけ「私の発言が誰かを攻撃したとすれば、特にアジア人コミュニティーの方々に対して、真摯(しんし)に謝罪したい。ショウヘイ・オウタニに対しても、攻撃する意図はなかった。彼を本当に尊敬している」とスピーチした。だがこの謝罪に対して、アジア系米国人ジャーナリスト協会が「モリス氏の謝罪は無神経で無教養。彼が使ったステレオタイプなレイシストアクセントについては言及しなかった」と批判声明を発表するなど、騒動は収まらなかった。

バリースポーツ・デトロイトとタイガースはそれぞれ文書で「今回のことは残念極まりない」と声明を発表。同テレビ局によると、モリス氏は今後、多様性のある社会において正しい言動を行うためのバイアス講習を受ける予定。現役時代に254勝を挙げ球宴に5度選出、18年に殿堂入りしたかつての名投手が、再教育を受けることになった。