エンゼルス大谷翔平投手(27)が、政府からの国民栄誉賞授与の打診を辞退していたことが分かった。松野博一官房長官が22日の記者会見で明らかにした。

大谷は大リーグ4年目の今季、打者で46本塁打、100打点、投手で9勝2敗、防御率3・18と投打二刀流で躍動。日本人として初めて満票でのア・リーグMVPに輝いた。

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大谷側が国民栄誉賞の受賞を辞退した理由のコメントに、「まだ早い」との言葉があった。18日(日本時間19日)に全米野球記者協会(BBWAA)の投票でア・リーグの最優秀選手に輝き、日本人初の満票MVPの快挙を達成。その後の電話インタビューでは「個人的には本当に切り替えて来年勝つことだけを考えてやりたいなと思っていた。ただ(発表を)楽しみにしてはいましたし、取れてうれしい気持ちはあるので、来年につながるモチベーションになったかなと思います」と心境を明かした。

27歳の青年の向上心が絶えることはない。慢心せず、さらに上を目指すからこそ、時期尚早となったのかもしれない。メジャー4年目で初めて二刀流で完走し、投打で驚異的な結果を残した。それでも「選手としてここからピークを迎える、5~7年ぐらいはもっともっと勝負の年じゃないかなと思うので、日々頑張りたい」と意欲を示した。

目指すは世界一の選手。「自分でそう思う日はおそらく来ないと思うので、目標としてはアバウトというか、ゴールがない分、常に頑張れるんじゃないかなと思う」。立ち止まらず、前に向かって走り続ける-。国民栄誉賞の辞退は、その決意の表れとも思える。【MLB担当=斎藤庸裕】