大リーグでは今季「ボールが飛ばない」と話題になっている。13日までの1試合あたりの本塁打数が2・09本と、昨年の2・45本から減少。15年以来の低水準となった。今季は、21年から新仕様となったボールが開幕から全球使われ、全球場での湿度管理も始まった。「ボールが柔らかくなった」と証言する選手も多い。どんな変化があったのか、深堀りする。

<選手、コーチの反応>

◆カルロス・コレア内野手(ツインズ)「ボルティモア・カムデンヤーズ(オリオールズ本拠地)でセンター方向へ速度108マイル(約174キロ)、角度23度の打球を打って、行ったと思ったら中堅手が捕球して、フェンスにぶつかりボールがこぼれた。えっ、108マイルなのに? と思ったよ」

◆ジェーソン・ヘイワード外野手(カブス)「ボールがすごく柔らかく感じたことがあった。普通のボールではないと感じた」

◆クリス・バシット投手(メッツ)「(チームの打者が今季、死球を多くぶつけられていることに)ボールが悪いという面もある。MLBはボールに関して大きな問題を抱えている。ボールがひどいことはみんな知っている」

◆エリク・チャベス打撃コーチ(メッツ)「全米中継される試合のときだけ、ボールが違うと言っている選手やコーチがいる。今季は104~105マイル(約167~170キロ)の速度と適正な角度で打った打球が飛ばず、視聴者の多い全米中継試合のときだけ95マイル(約153キロ)で打った打球がフェンスを越える」

◆アンディ・ヘインズ打撃コーチ(パイレーツ)「ボールが飛ばなくなった対策として、ではこれからは低いラインドライブを打てとは言えない。依然としてフライを上げることは価値が高いし、今までのように25度ではなく20度の角度で打てというのはむちゃだ。しかしボールの違いはわずかのものではなく、時に極端に違うと感じることもあるので厄介だ」