エンゼルス大谷翔平投手(27)が、自己最高速アーチを記録した。「3番DH」で出場したマリナーズ戦の3回、右腕ジルベルトの内角寄り96.8マイル(約156キロ)の直球を完璧に捉え、右翼席中段へ運ぶ16号ソロ。飛距離462フィート(約141メートル)は今季最長で、打球速度118マイル(約190キロ)は通算109本塁打で最高値、球団史上でも最速弾(正確な計測が始まった15年以降)となった。

5試合連続安打で、6月は打率2割8分9厘、5本塁打、15打点。過去2カ月と比べて最も高い打率で、波はありながらも徐々に勢いが加速してきた。ネビン監督代行も「彼は今週ずっと素晴らしいスイングをしている。ミスショットしなかったホームラン、あれは間違いなくワイルドな1発だった」とうなったが、チームは2連敗。豪快弾は空砲に終わった。

もっとも、最後の打者は大谷だった。2点を追う9回2死二塁でトラウトが歩かされ、マ軍ベンチは大谷との勝負を選択。1発が出れば逆転サヨナラの状況だったが、右腕スワンソンのスプリットに右直で試合終了。ネビン監督代行は「最後は打ち損じた」と振り返った。

最終的に悔しさが残る結果となったが、大谷は21日のロイヤルズ戦で1試合2発。この日はメジャー自己最速打球の本塁打を放ち、打撃の状態は確実に上向いている。シーズン162試合のうち、74試合が終了して16本塁打。折り返し地点が見えてきたが、勝負はまだまだ先にある。【斎藤庸裕】

◆大谷の打球速度 3回に打った16号本塁打は、打球速度が118マイル(約190キロ)。大谷の打球速度では2本の二塁打に次いで3番目に速く、本塁打では昨年6月28日の189キロを抜いて、通算109本で最速となった。また、15年のスタットキャスト計測開始後、エンゼルスの球団最速本塁打となった。

◆大谷の飛距離 3回にジルベルトから打った16号は、飛距離141メートルの特大アーチ。大谷の本塁打では今季最長で、通算でも4位に相当する。メジャー全体では今季15位。1位はサンチェス(マーリンズ)の151メートル。エンゼルスでは4月14日レンジャーズ戦のトラウトの2号(144メートル)に次ぐ2位となる。

◆大谷の土日打撃成績 土日の打撃成績は24試合で97打数26安打、8本塁打、20打点、打率2割6分8厘。本塁打率(打数÷本塁打)は月~金曜日に21・87だが、土、日曜日は12・13と、週末に1発が出やすい傾向がある。