ここまで中継ぎとしてフル稼働してきたレッドソックス沢村拓一投手(34)が28日(日本時間29)、メジャー40人枠から外れ、事実上の戦力外となった。ア・リーグ東地区の「最激戦区」で防御率3点台を維持してきた一方、ポストシーズン(PS)進出が絶望的となったレ軍は来季以降を見据えている。若手登用に切り替え、契約最終年の沢村をリリースした。

現時点で詳細は不明だが、8月2日のトレード期限後、沢村に興味を示した球団がある。その経緯の中で、事実上の戦力外待遇となる「DFA」となった可能性はある。PS争いをする球団にすれば、8月中に選手をウェーバーなどで獲得し、31日までにメジャー枠に登録すればPSでの出場も可能となる。沢村の場合も例外ではない。その一方で、オールスター以降は防御率6・46と不安定な投球が続いたこともあり、シンプルに「再建」へ切り替えたとも解釈できる。

もっとも、今季のレ軍はトレード期限の前後に、今後の方向性が明確にされておらず、現場の監督や選手が戸惑いを見せている裏事情は見逃せない。高額の投資をしてでも勝ちにいくのか、経費削減を最優先にして再建に向かうのか-。20年にチェイム・ブルームGM体制になって以来、迷走を続ける「強豪レ軍」の印象が、徐々に薄れていることは否定できない。【MLB担当=四竈衛】