今季限りで現役を引退したアルバート・プホルス氏が、スポーツマンシップや総合的な品格と人柄において、傑出した素晴らしさをたたえるスタン・ミュージアル賞のなかでも、頂点となる「生涯功績賞」を受賞した。

「スタン・ミュージアル賞」は、カージナルス一筋でプレーし、ワールドシリーズ制覇3回、MVP受賞3回、オールスター選出24回など輝かしい成績を残し、米野球殿堂入りしている故スタン・ミュージアル氏にちなんで創設されたもの。同氏は、バラク・オバマ元米大統領から文民に贈られる米国最高位の勲章である「大統領自由勲章」を授与されるなど、フィールド外でも模範的な人物としてたたえられており、同賞の公式サイトは、生涯功績賞について「ミュージアル氏のように尊厳や寛大さ、礼節や誠実さを持つ象徴的な人物を表彰するもの」と説明している。

カージナルス、エンゼルス、ドジャースで22年間プレーしたプホルス氏は、キャリア通算で打率2割9分6厘、歴代4位の703本塁打、2218打点をマーク。700本塁打を達成したのは、バリー・ボンズ、ハンク・アーロン、ベーブ・ルースに次ぐ4人目となった。MVP受賞3回、ワールドシリーズ制覇2回といった成績もさることながら、プホルス・ファミリー基金を立ち上げ、ダウン症の子どもたちのサポートや母国ドミニカ共和国の低所得者に向けた支援を続けている。

基金の公式サイトで「偉大な野球選手になることは、重要なことではありますが、私の最大の目標ではありません。殿堂入りが究極な目的ではなく、最終地点ではないと分かっているからです」と述べているプホルス氏。だが、今回の受賞を受け「スタンのように、フィールド外での活動が認知され、彼の名を冠した賞を受賞したことは、私のキャリアで最高の栄誉の1つ」と語ったという。