【サンディエゴ(米カリフォルニア州)5日(日本時間6日)=四竈衛、斎藤庸裕】ソフトバンクから海外FA(フリーエージェント)権を行使してメジャー移籍を目指す千賀滉大投手(29)の争奪戦が、いよいよ激化してきた。ウインターミーティング2日目に入り、バーランダー、ターナーら「特A」ランクの大物FA選手が巨額の条件で合意。コロナ禍での停滞から完全に脱却し、バブル景気並みの「インフレ市場」となってきた。

これまでに千賀との直接交渉を終えたメッツがこの日、サイ・ヤング賞3回のバーランダーを獲得。興味を示していたレンジャーズは2日にジェイコブ・デグロム投手(34=メッツFA)と契約したこともあり、今後の先発市場は「特A」から千賀や左腕カルロス・ロドン投手(29=ジャイアンツFA)ら「A」ランクの投手を中心に動きが加速する見込みだ。

当初、千賀の評価は4年総額6000万ドル(約84億円)前後がスタートラインとみられていたが、今オフのFA市場では価格破壊が発生。完全有観客の再開やポストシーズン増、放映権料増、配信事業売却による分配金などで各球団の経営状態が回復したことで、空前のインフレが加速しており、千賀の場合、5年総額9000万ドル(約126億円)前後まで跳ね上がる可能性も出てきた。

現時点では、パドレス、カブス、ヤンキース、レッドソックス、ジャイアンツなどが有力候補に挙げられており、今後は千賀自身が同席したうえで本格交渉へ進む見込みだ。