ブルージェイズ傘下3AからFAになっていた筒香嘉智内野手(31)が、レンジャーズとマイナー契約を結んだ。

15日(日本時間16日)、同球団が発表した。メジャー4年目で5球団目となる。2月のメジャーキャンプには招待選手として参加し、開幕ロースター入りを目指す。関西を拠点に自主トレ中の筒香が、日刊スポーツの単独取材に応じ、心境と決意を語った。

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夢の続きへ。筒香に吉報が届いた。起床前に代理人を務めるジョエル・ウルフ氏から連絡が入った。レンジャーズとマイナー契約の知らせだった。急展開の決定に迷いはない。「朝起きてメッセージを確認した。もう1度、チャンスをもらえたことは素直にうれしい。もちろん、簡単なチャレンジではないことは分かっている。でも自信もある」とかみしめた。

昨年の11月に所属先が決まらぬまま帰国した。オフ期間は心身を休める時間に充てつつも、「不安はあるけど、こういうオフは想定していた。アメリカでプレーするということはこういうことも受け入れて進むことだと思っている」と心境を吐露した。12月に入ってからは新シーズンに向け、本格的にトレーニングを再開させた。

メジャー挑戦からここまでの3年間は思い通り、期待通りにはほど遠かった。国内復帰を促す声も少なからず耳には届いた。「結果に責任と取るのはプロとしては当然のことだと思っている。結果を出していないし、どう思われても仕方ない。応援してくれている人たちの期待に応えられていないのは事実なので」と受け止める。

一方で、何が何でも譲れないものがある。国内復帰を表明すれば好条件でのオファーは確実視される。NPBへの敬意を示しつつも「小さいときからメジャーリーガーになりたいという夢が僕にある。苦しいだけの3年間じゃなかった。多くの学びがあった。今まで知らなかったこと、知らなかった感覚もある。だから、まだ夢を諦めようとは思わない」と言った。苦境でも逆境でもない。

この日の自主トレも打撃練習を中心に午前、午後ともに調整を進めた。「体の状態はいい。しっかりといいトレーニングができている。タフなチャレンジができるようにしっかりと準備をしたい」とうなずいた。レ軍の野手組キャンプは米時間2月20日にスタート。同24日からはオープン戦も始まる。筒香の夢はまだ終わらない。【為田聡史】

◆レンジャーズに所属した日本選手 大リーグで出場経験があるのはすべて投手で過去8人。02年伊良部秀輝、06、07年大塚晶則、08年福盛和男、11、12年上原浩治、建山義紀、12~17年ダルビッシュ有、15年藤川球児、21、22年有原航平がプレーした。