【テンピ（米アリゾナ州）20日（日本時間21日）＝四竈衛】エンゼルス大谷翔平投手（28）が、豪快な1発ショーを披露した。野手組が合流し、全体練習がスタートした「初日」。屋外でのフリー打撃では、22スイングで10本の柵越え。投手相手の実戦打撃でも、2打数2安打をマークするなど、着実に実戦モードに近づいてきた。

中堅の守備位置から引き揚げてきた主砲トラウトが驚嘆するほど、大谷の打球はすさまじかった。衝撃の一打は、右翼後方にあるクラブハウスのはるか上空を越えて消えた。この期に及んで大谷のパワーを知らないチームメートはいない。それでも、トラウトが隣にいたフレッチャーに「見たかよ。屋根の上まで飛んで行ったぞ」と苦笑するほど、豪快な推定飛距離140メートル弾だった。

飛距離だけではない。この日は、左翼、左中間、中堅バックスクリーン、右中間、そして右翼と全方向へ柵越え弾をたたき込んだ。若手2投手相手の実戦打撃では、中前打、右前打と2打数2安打。例年であれば「目慣らし」の段階だが、2打席で全3球をスイングするなど、WBCを意識しているのか、積極的にバットを振った。

投手としても、21日（同22日）に打者相手の実戦形式練習に登板する予定。この日から始まった投内連係では「ピッチクロック対策」として、タイマーで時間を計測しながら練習を反復するなど、チーム全体としても調整段階は進んだ。

現時点では、本拠地でのオープン戦に「DH」として出場し、3月1日（同2日）のブルワーズ戦に登板した後、帰国する見込み。侍ジャパンとエ軍を「投打」で背負う大谷の巨大なエンジンが、着実に温まってきた。