【テンピ(米アリゾナ州)22日(日本時間23日)=四竈衛】エンゼルス大谷翔平投手(28)が、2月28日(日本時間3月1日)の敵地アスレチックスとのオープン戦で初登板することになった。

ネビン監督が明かしたもので、当初予定の3月1日から志願して登板を前倒し。これにより最短3月2日に日本に到着し、侍ジャパンに早期合流の可能性が高まった。また、初登板日はアスレチックス藤浪晋太郎投手(28)も初先発予定で「大谷VS藤浪」がいきなり実現することになった。同学年対決をへて、1日早く帰国の途につく。

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言葉に出さずとも、WBCに懸ける思いが、大谷を突き動かした。ネビン監督によると、登板予定の変更は大谷が希望したもので、侍ジャパンへの合流日程を考慮したものと説明。「敵地で投げることはあまり通常ではないが、彼は気にしていない」と補足した。練習後の大谷は、藤浪との対決について「打席に立つかどうか分からないので、この時期ですし。そこは分からないですけど、自分のやれることをしっかりとやりたいと思います」と淡々と抱負を口にした。

1月下旬から同地で調整したこともあり、対外試合「OK」の段階に入った。最大瞬間風速20メートルの突風が吹き荒れる中で行われた初の実戦形式の投球では、2回、打者7人に1安打1四球3三振。「まあ、良かったですね。ちょっと風が強かったり、いろいろありましたけど、数値的には問題なく、ここまで来ているので、もうちょっと上げていけたらなと思います」。

この日のテーマとしては、「強度とコマンド(制球)とピッチクロック」の3点を挙げた。直前のブルペン投球では、タイマーが始動する捕手からの返球をギリギリまで遅らせるなど、工夫を凝らす光景も見られた。「ピッチクロックは問題なく、試合になると感覚とかそういうのがあるので、もうちょっと伸びるかなという印象はありますけど、今日のところは問題なかったです」。

開幕戦で対戦する同地区相手で、しかも同学年の藤浪相手の23年初登板。それでも、大谷に気負いはない。「とりあえずは自分のやるべきこと、そういう点をひとつひとつつぶして行けたらなと思います」。26、27日の2試合はDHで出場する予定。ただ、実戦期間が限られるとはいえ、中途半端な状態で帰国するつもりはない。短期決戦のWBCと長丁場の公式戦を同時に見据える大谷が、プラン通りに仕上がってきた。

◆大谷と藤浪の投げ合い 12年のセンバツ初日に対戦。花巻東の大谷は4番投手、大阪桐蔭の藤浪が9番投手で先発。2回に大谷が右翼へ先制本塁打を放つも、試合は9-2で大阪桐蔭の勝利。藤浪は12奪三振で完投勝利、大谷は11三振を奪うも8回2/3を投げ9失点だった。プロでの投げ合いは14年のオープン戦とオールスターである。3月8日、甲子園で行われたオープン戦では2人とも先発で5回を投げ、大谷が1失点の勝利投手、藤浪は5失点の敗戦投手。オールスターは第2戦で2人が先発、大谷が1回1失点の勝利投手、藤浪が2回4失点で敗戦投手となった。公式戦での投げ合いはなく、13年5月26日に投手藤浪と打者大谷が対戦している。

<WBCでの大谷の登板予想>

9日中国戦 先発

16日準々決勝 先発

21日(日本時間22日)決勝 胴上げ投手?