エンゼルス大谷翔平投手(29)が、今後10日以内にシーズンを終了し損傷が判明した右肘靱帯(じんたい)の手術を受けるのではないかという見方が周辺から出ていると、USAトゥデー紙のボブ・ナイチンゲール記者が3日付の記事で伝えた。大谷の考えをよく知る人物が「これから10日間以内にシーズンを終え、トミー・ジョン手術を受けると思う」と話したという。

エンゼルスは4日(日本時間5日)から本拠地7連戦に入る予定で、同記者は「次のホーム連戦を最後までプレーし、それからシーズンを終えると発表するのは納得の判断だ。そうすれば来季は投手として出場する可能性はなくなるが、DHとして出場するに十分な健康状態になれる」と指摘した。

大谷は今季終了後にフリーエージェント(FA)となるが、同記者は「各球団はオオタニをエリート打者として見ており、2025年に投手として復帰できれば、それはボーナスだと考えている」とし「もし契約金総額が5億ドル(約725億円)未満ですむならエンゼルスは再契約のチャンスがある。それを超えるならドジャース、ジャイアンツ、パドレス、そして恐らくマリナーズが争奪戦で有利だろう」と予想した。

◆2度目のトミー・ジョン手術 肘の内側側副靱帯(じんたい)再建術(通称トミー・ジョン手術)の第一人者、慶友整形外科病院の古島弘三副院長によると「アメリカの論文では2度目の手術の復帰率は50%ぐらい」。成功の代表例はイオバルディ(レンジャーズ)で2度目の手術後に40勝25敗、防御率3・81と、1度目~2度目の手術間(38勝46敗、防御率4・21)より成績が良化した。今季はサイ・ヤング賞2度のデグロム(レンジャーズ)やア・リーグ最速で10勝を挙げたマクラナハン(レイズ)らがシーズン途中で2度目の手術に踏み切った。アナリストのジョン・ローゲル氏のリストによると、マイナー含め2190人のうち148人(約6・8%)が複数回の手術を受けた。