エンゼルスからFAとなった大谷翔平投手(29)が16日(日本時間17日)、全米野球記者協会(BBWAA)選出によるアメリカン・リーグの今季MVP(最優秀選手)と発表された。21年に続き満票で選出。2度満票で受賞するのは、メジャー史上初の快挙となった。複数回の受賞も史上33人目で、日本人では初めて。2度の受賞はルー・ゲーリッグ、カル・リプケン、テッド・ウィリアムズといった名選手に並んだ。

投票者30人全員が1位票を投票する満票で、420ポイントを獲得し、2位のシーガー内野手(レンジャーズ)の264ポイントに156ポイントの差をつけた。3位のセミエン内野手(レンジャーズ)は216ポイントだった。MLBネットワークの中継でインタビューに応じた大谷は「個人的にもこうやって(MVPを)取れて、特別なことだと思います。ケガは順調に、もう1回目より感じ的にはスムーズにきている感覚はあるので、来シーズン入っていけるんじゃないかなと思うので、焦らずにやりたいなと思う半面、しっかり来シーズンまでに間に合わせてプレーしたいなという気持ちでいます」と語った。

今季は打者として135試合に出場し打率3割4厘、44本塁打、95打点、20盗塁で日本人初のリーグ本塁打王に輝いた。投手としては23試合に登板し、10勝5敗、防御率3・14、167奪三振。多くの記者がMVP投票の参考にするWAR(最低年俸の代替選手と比較して起用されることで上積みできる予想勝利数)という指標では、ベースボールリファレンス版で10・0と、MVPの最終候補に入っていたセミエン(レンジャーズ)の7・4、シーガー(同)の6・9に大差をつけていた。

投打二刀流としては、究極の偉業を成し遂げたシーズンだった。7月27日のタイガース戦では、ダブルヘッダーの第1試合で先発投手として1安打完封勝利。DHとして第2試合では2本塁打を放った。日本代表として優勝したWBCからほぼ休みなく出場を続け、9月16日に負傷者リスト入り。右肘の手術を受けた。9月3日を最後に約1カ月を欠場したが、本塁打王に輝くなど、それまでに残した成績が桁外れだった。

オフにはメジャー6年目を終えて、初めてFAとなった。投打で圧倒的な成績を残せる唯一無二の存在として、史上最高の5億ドル(約750億円)を超える契約も予想されている。元祖投打二刀流のベーブ・ルースもなかった2度目のMVPの看板を加え、今後も注目を集める。

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