【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)24日(日本時間25日)=四竈衛】元通訳の水原一平氏(39)による違法賭博問題で揺れる中、ドジャース大谷翔平投手(29)が25日(同26日)に記者会見を行うことになった。

デーブ・ロバーツ監督(51)が、エンゼルスとのオープン戦開始前に明かした。韓国での開幕シリーズ中の21日に問題が発覚して以来、大谷が初めて自ら口を開くだけに世界中が注目する会見となりそうだ。

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韓国遠征を終え、本拠地へ戻った大谷は、いつもと変わることなく、試合への準備を進めていた。問題が明るみに出た21日以後、沈黙を保ってきた一方で、試合前のロッカー室内で米メディアの問いかけに対し、「Tomorrow(明日)」と応答。水原氏の違法賭博疑惑で依然として球界全体に動揺が残る中、自ら口を開く意思を明かした。

その後、ダッグアウト内で通常の2倍以上の報道陣に囲まれたロバーツ監督は、大谷の近況について語った。「彼は普段通り、明るく、自分の仕事をしているように見える」。さらに、大谷が会見することを踏まえ、その覚悟に敬意を示した。「明日、みんなに話すことを心待ちにしている。とてもいいことだと思う。正しいことで、彼が何を知り、全体の状況について彼の考えを話すことはハッピーだ。我々が、もう少し明快になることだろう」。

今回の一件に関して、MLBは本格的な調査を行うことを発表。大谷や水原氏に対する事情聴取を含め、経緯などの事実究明を進めることになった。だが、調査結果が判明する時期が不明でもあり、今後、チーム内に微妙な影を落とす可能性も捨てきれない。「クラブハウスの雰囲気は、(事件に関する)特定の会話などは聞こえてこないし、野球をする準備はできていると思う。明日がみんなにとっていいと思えるのは、それが理由だ」。同監督は大谷自身が現況を明かすことで、周囲の騒ぎがひとまず沈静化し、ド軍としても米国開幕へ向けて「リセット」する絶好のタイミングとして期待する。

もっとも、グラウンド上の大谷の表情から、問題の影響はうかがい知れない。古巣エンゼルス戦でもあり、試合前にはダッグアウトから駆けだすと、右翼後方でアップを始めようとしていたエ軍投手陣の輪に加わった。サンドバル、エステベスら盟友とハグを交わし、旧交を温める間、笑みが絶えることはなかった。試合前には、トラウトら野手陣ともハグを交わすなど、上機嫌で試合に臨んだ。

本拠地ドジャースタジアムでの「デビュー戦」となった一戦は、2打数無安打1四球。それでも、大谷がバットを振るたびに、オープン戦ながら4万2607人の大観衆が詰め掛けたスタンドは沸いた。28日の米国一斉開幕を前に、大谷はどんな言葉でファンに思いを届けるのだろうか。