中盤まで膠着(こうちゃく)状態だった試合が動き始め、ド軍に傾いた流れを、大谷翔平投手(31)は冷静に見極めていた。7回に2点を勝ち越し、迎えた8回1死一塁。4打席目で初めて初球をフルスイングした。結果はファウルだったとはいえ、出塁を最優先していた過去3打席とは異なる積極性を垣間見せた。続く2球目のチェンジアップにバットをへし折られながらも、半ば強引に引っ張り、一、二塁間を突破。好機を広げ、貴重な追加点につなげた。
初回に先制したものの、3回に追い付かれ、敵地の空気は張り詰めていた。ド軍打線は、1回2死以降、17打者連続で凡退。均衡を破ったのは、先発山本を好リードしていた4番スミスだった。7回に左翼席へ高々と上がる勝ち越しソロ。さらに、6番マンシーが逆方向の左翼席へド軍のPS記録を更新する通算15本目の本塁打を放ち、リードを広げた。それでも、試合後のスミスは、自らの3打点の活躍以上に山本の快投をたたえた。「すべての球が素晴らしかった」。マンシーにしても、「見ていて楽しかった」と、先発右腕を絶賛する言葉を続けた。
ポストシーズンは、個々の成績ではなく、チームの勝敗がすべて。大谷が引き立て役になっても、敵地で1勝1敗としたこの日の白星は、連覇に狙いを定めるド軍にとって極めて意義深い。



