ドジャース山本由伸投手(27)が10月31日(日本時間11月1日)、瀬戸際のワールドシリーズ第6戦に先発し、6回5安打1失点と好投。勝利の立役者となった。ポストシーズン(PS)3戦連続完投には届かなかったものの、96球の熱投で連続世界一への夢をつないだ。第7戦でド軍が勝てば、09年のヤンキース松井秀喜に次ぐ、WSでは日本人2人目のMVPが確実視されるシリーズ2勝目を挙げた。

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両肩にのしかかる重圧にも動じることなく、山本は最後まで淡々とした表情で96球を投げ切った。試合後、勝利会見に臨むと、安堵(あんど)の笑みが広がった。6回1失点と2点差をキープし、救援陣にバトンを託した。「もう1イニング行くつもりでしたけど、リードを保ってつなぐことが大事。少しホッとする気持ちもありました」。極度の緊張感から解放された顔は、力を出し切った充実感に満ちていた。

後がない敵地のマウンドは、真骨頂の見せどころだった。初回と4回は、走者を背負いながらも併殺でピンチを脱出。速いスプリットでわずかにバットの芯を外し、ゴロを打たせる高等技術をちりばめた。積極的な打者にはスプリットで入り、待球型にはカーブ、スライダーでカウントを整える。完投した第2戦の投球にアレンジを加えた。「探りながらの配球も多かった。結果的に最少失点で抑えられたので良かった」と納得顔だ。

今PSでは2試合連続完投を含め、4勝1敗、防御率1・56と圧倒。投手版「ミスター・オクトーバー」とも言える投球を続けた。延長18回の熱投となった第3戦では、完投から中1日ながらも救援待機。自己犠牲をいとわない姿勢でチーム全体を奮い立たせた。過去1週間で時差3時間のトロントと西海岸を2往復。「疲れは少し感じてましたけど、体の調子は前回と比べて今日の方が良かったです」と、大谷に劣らない「超人」ぶりで重圧をはねのけた。

総力戦となる第7戦。「もちろん、行けと言われたら行きますけど、できれば応援を頑張りたいです」と本音をのぞかせた。連続世界一となれば、シリーズMVPの最有力候補。「明日、プレーする人は大変だと思います」。大仕事をやってのけ、1年間ともに闘ってきた仲間に、笑顔でエールを送った。

▽ブルージェイズ・シュナイダー監督(山本について)「彼とガウスマンは第2戦に不気味なほど似ていた。1回にブラッド(ゲレロ)へ甘いカーブを投げたが、併殺となって助かった。それでも内容はいいし、彼は本当にいい投手だ」

○…山本が6回、先頭のスプリンガーを打ち取った直後、ファンがグラウンドに乱入した。山本は視線を送った後、投球練習しながら試合再開を待った。「なかなかない時間だったので、ちょっと嫌な感じはありましたけど、その後2球ほど投球練習をして、調子も良かったので気にせず投げられました」。ここから中飛、二塁打、四球となったが、最後は三振で無失点。嫌な流れを断ち切った。

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