巨人からFA(フリーエージェント)宣言し、来季メジャーへ挑戦する上原浩治投手(33)が27日、国内で極秘始動した。自らの去就で周囲に迷惑かけたくない思いから9日のシーズン終了後は公の場に姿を見せなかったが、この日約6時間の練習ではメジャー使用球でキャッチボールを行うなど意欲的。代理人に一任しているメジャー球団との交渉については「早く(移籍球団が)決まるにこしたことはないが、やるべきことをしっかりして待ちたい」と準備を整える。

 室内練習場に、上原の息づかいが響いた。午前9時30分から最後の筋力トレまで約6時間のフルメニューだったが、動きは軽快だった。練習相手1人を伴ってのメジャー挑戦への孤独なトレーニング。上原は準備に前向きだった。

 上原

 シーズンが終わって2週間、しっかり休みました。現時点のコンディションは非常にいい。体と相談し、休養と練習を両立させながら上げていく。ただ休んでいるだけでも疲労は取れないから。

 シーズンを終え、公の場から姿を消した。23日のファン感謝デーを欠席。28日の巨人球団納会にも参加しない意向だ。「自分のことで騒ぎになって、巨人の方に迷惑を掛けたら申し訳ない」と、欠席を申し出た。来季へ「雑音を封じ集中したい」と極秘練習のスタイルをとった。今後も国内で継続し練習する。「キャンプに入る時期が(メジャーの場合)2週間くらい遅れる。毎年、行っていた(200球以上の)投げ込みを行ってからキャンプを迎えたい」と調整の青写真を語った。

 メジャー使用球でのキャッチボールも開始した。「重量が重い感じがして、革の質感も全然違う」。フォーク、カーブ、チェンジアップと積極的に試投。制球がいい上原には珍しく、ボールが抜ける場面もあった。「慣れていくしかないんだろう。いろいろ工夫して」。新球への適応も大きな自主トレのテーマになる。

 現在オリオールズ、ジャイアンツなど8球団が獲得に興味を持っているとされる。交渉で具体的な進展はないが、「契約については(代理人のSFX社に)お任せしていますから」と、腰を据えて待つ構えだ。

 上原

 ウインターミーティング(日本時間12月9-12日)の後から具体的になってくるんだと思うけど。できれば早く、年内に決まればうれしいけど、準備をしっかりして待つ。自分にできるのは、それだけだからね。

 新たな挑戦に思いをはせながら、来季をにらんだ体づくりを進めていく。