右肘腱(けん)再建手術からの復帰を目指すレッドソックス松坂大輔投手(31)がブルペン投球でスライダーを解禁し、実戦復帰にまた1歩近づいた。

 チェンジアップに続き、スライダーの投球許可が下りた。久しぶりにマウンドで投げるスライダーの感触に、納得がいかない様子を見せる場面もあったが、力強く伸びのある速球は、捕手のミットを気持ちよく鳴らし続けた。スライダー8球、チェンジアップ4球を含めた41球を投げ終え、「投げ終えた感じはまったく問題ないです」と話した。

 この1歩を踏み出した意味は大きい。マクルアー投手コーチは「まるでケガなどなかったような投球だった」と絶賛。今後の復帰プランにも見通しを立てた。投手コーチによれば、今後はブルペンで2度投球練習を行った後で、打者を立たせたフリー打撃登板に前進する。フリー打撃では3、4度の登板を予定しており、すべてが順調に進めば、4月上旬にも実戦での復帰が見込まれる。

 投手コーチは「焦らせるつもりは毛頭ない。後退しないことが大切」と強調しながら、「今すぐに実戦で投げられそうな仕上がりだ」と目を細めた。孤独に積み重ねたリハビリの成果が、確実に実を結んでいる。(フォートマイヤーズ=佐藤直子通信員)