<ロイヤルズ7-3アスレチックス>◇14日(日本時間15日)◇カウフマンスタジアム

 固く閉ざされていたプレーオフの扉をこじ開ける。ロイヤルズ青木宣親外野手(32)が決勝の2点三塁打。チームに7カード連続となる勝利をもたらした。

 青木の勝負強さが光った。7回、3-3と追いついてなお1死一、三塁の好機に、「何か起こせるんじゃないか」と初球151キロの速球を振り切った。痛烈な打球が右翼線を破り、勝ち越しの2走者をかえし、自身も楽々と三塁に到達。後続も続き、両リーグ最高勝率のア軍から一挙5点を奪う逆転劇となった。

 青木は「最後に最高の形で打てた。逆転で、さらに勢いがつく勝ち方」と目尻を下げた。この日は得意にしていた先発サマージャにタイミングが合わず、三振や併殺打など3打席目まで無安打。だが12日に対戦した救援右腕のクックに代わり、「真っすぐが速くて差し込まれた。対戦が生きた」とフルスイングで、「目標にしていなかったけど、節目の数字」と日米通算500打点目も刻んだ。

 ロ軍は最近22試合で18勝、この11試合で10勝を挙げる快ペースで白星を重ね、11日に中地区首位に浮上。貯金12も03年7月以来、11年ぶりだ。ワールドシリーズを制した85年を最後に、30球団で最も遠ざかるプレーオフ圏内をキープしながら、残り42試合を戦う。移籍1年目の青木にとっても、メジャー3年目で初めて狙える位置にいる。打率2割5分台に低迷した一時の不調から脱し、再び1番に定着。「(プレーオフ不出場は)もうおしまいにしたい。今年がその年だと、みんな思っている」と力強かった。

 ◆ロイヤルズのチーム成績

 1969年に球団拡張で創設され、70年代中盤から10年間で7度のプレーオフ(PO)進出と、黄金時代を築いた。76年から地区3連覇もリーグ優勝決定シリーズで敗退。80年にリーグ初Vで初めてワールドシリーズに進出。85年に2度目のリーグVで悲願の世界一にも輝いた。だが以降はPOが遠く、94年に3地区制導入以降は、30球団でPO進出がないのはロ軍とブルージェイズだけ。