ソフトバンク摂津正投手(32)の4年連続開幕戦勝利はならなかった。勝てば60~63年西鉄稲尾和久らに続く史上4人目の快挙だった。

 今季初黒星も8回2失点と粘りの投球だった。序盤から先頭打者を出しながらも、決め球のシンカーを巧みに操り0を並べ、ロッテ涌井と投げ合った。だが6回、無死一塁から一塁走者荻野が二盗。鶴岡が二塁へ悪送球し三進を許すと続く鈴木に中前先制適時打を浴びた。2死一、三塁からは松田が三塁正面のゴロをトンネル。適時失策で2点目を失った。

 「先に点を与えた事が反省点です」。自責0もエースは言い訳はしなかった。

 工藤監督は長いシーズンを考え7回で降板を考えたが摂津は「負けているし極力、投手を使いたくないと思う」と続投を志願。その8回、2番からの好打順をわずか7球、3人で打ち取り、意地を見せた。工藤監督も「すごくよかったと思う。開幕という大役をね。2点はエラー絡みで、それがあったとしても、ナイスピッチングだった」と称賛した。

 摂津は「昨年のような(右肩)の違和感もないし暖かくなると状態も上がってくる」と手応え。今年の摂津は頼もしいと思わせた開幕戦だった。【石橋隆雄】