連勝は6でストップしたソフトバンクだが、選手層の厚さを見せつけた。現在、勝利の方程式に入っていない森唯斗投手(23)だ。2点ビハインドの6回1死一、三塁でマウンドへ。鶴岡、荒木を直球で空振り三振。「本塁を踏ませないためには、三振が一番よかった」。狙い通りの結果に両手をパチーンとたたき、ほえた。

 奪三振ショーは回をまたいでも止まらなかった。7回も1番鳥谷から3者連続三振。1点差になった8回もゴメス、福留と三振。三振を奪う度に球場のざわめきは大きくなっていった。

 8人目、上本にフルカウントから10球目を左前安打された。だが、7者連続奪三振。和田、杉内、大場に続き4人目となる球団記録だ。2回2/3をKラッシュによる無失点。「記録は知らなかった。今日はボールに指がかかっていた。無失点だったことが大きい」と振り返った。

 工藤監督も「向こうの攻撃をピシッと抑えてくれた。ベンチに力を与える投球だった」と絶賛した。ルーキーだった昨年は58試合に登板。勝利の方程式の一員だったが、今季は春先の不調もあって外れている。「そこは絶対投げたい場所。今はできることをやっていきたい」(森)。ここまで20試合で防御率は1・57と結果を残し、首脳陣の信頼を取り戻しつつある。ほかにもこの日登板した二保らが控える。

 打線も盛り返し、最大4点差が最後は1点差。強力打線に加え、豪華なブルペン陣がリーグ戦、交流戦のダブル首位を支える。負けて強しのインパクトを与える一戦だった。【石橋隆雄】

 ▼森が6回の鶴岡から7者連続奪三振。1試合での連続奪三振記録は57年梶本(阪急)58年土橋(東映)の9者連続で、7者以上は14年藤浪(阪神)以来28人、30度目。ソフトバンクで7者連続は03年和田、08年大場、11年杉内に次いで4人目の球団タイ記録。