こりゃ痛快、千金弾! 虎のルーキー江越大賀外野手(22)が昇格2戦目で期待に応えた。2点リードの6回、2番手笠原から左中間へプロ2号ソロを運んだ。1軍と2軍を行ったり来たりの試練も、ドラフト3位スラッガーの糧になった。活躍を予感した和田監督もニンマリだ。
高々と上がった打球を目で追った。「入れ!」。ボールは左中間スタンドへと消えた。阪神江越の思いは通じた。プロの世界に入って4カ月。試行錯誤を重ね、プロ2本目のアーチをかけた。
「走者がいなかったので塁に出ようと思って、真っすぐ1本でいきました」
狙い通り、直球をフルスイングした。3-1と2点リードで迎えた6回の先頭で打席に入った。カウント1-1から巨人2番手笠原の高め直球141キロを捉えた。4月28日ヤクルト戦(甲子園)以来の本塁打。笑顔のダイヤモンド1周。ベンチ前でナインから手荒な祝福を受けた。迫ってきた巨人を突き放した。
1軍でなかなか結果が出ずにもがいた。新しい相棒はこれで4本目だ。練習の濃さに体重が約4キロ減少し、体格も変化した。スイングを鋭くするためにバットを新調した。6月18日2軍中日戦の試合前練習で梅野にバットを借りた。いい感触を得た。そのまま試合でも使用し、中日49歳左腕山本昌から1発を放ってみせた。試合後、ベンチ前ですぐさま「全く同じにしてください」とメーカーに発注した。
つかの間の休息で心機一転もした。フレッシュオールスターが開催されるはずだった岡山で16日、両親と食事をした。正月以来だった。居酒屋であぶりマグロなど海鮮を中心に箸を進めた。「明日(17日)、1軍の練習に呼ばれた」とだけ報告。決して悩みも弱音も吐かない。「頑張って」と背中を押され、笑顔で一夜を過ごした。社会人・三菱重工長崎で都市対抗に出場する外野手の弟海地(20)は今日23日に初戦を迎える。「打てよ! 頑張れ」とハッパを掛けた。阪神入団が決まるとバット、手袋、リストバンドなど野球用具を贈った。自分も負けていられない。
結果を残し続けた先には、レギュラー定着も見えてくる。和田監督は「これからレギュラーを張ろうと思えば、右も左も言っていられない。今日に関しては右投手にも内容は良かったし。偏ってほしくない選手だよね」と目を細めた。江越は「毎日がアピールだと思うので、練習からアピールしていきたい」と口元をキュッと引き締めた。手探りでも確実に前へ進んでいる。【宮崎えり子】



