オリックス平野恵一内野手(36)が25日、京セラドーム大阪で引退を発表した。「1日でも長くチームの優勝に貢献しようと頑張ってきたが、体に限界が来た。小さいけれど頑張ってくれた体をもうそろそろ許してあげようかと思いました」。5月の出場選手登録抹消の原因となった右かかと痛など、相次ぐ足の故障で心を決めた。

 プロ生活最高の思い出に「プロ入りしたときの両親の喜んだ顔」を挙げた。続いて思い起こしたのは「ケガ」。オリックス時代の06年5月6日ロッテ戦(千葉マリン)の二塁守備でファウルを追いかけ、フェンスに激突。右腰部肉離れ、右股関節捻挫など、命の危機と背中合わせの重傷を負った。「(再びファンの前に立ったときの)全身の震え…グラウンドに立った瞬間に涙か汗か分からないようなものが噴き出して、ああ頑張って良かったと思えた瞬間でした」と復活を待ち、支えてくれたファンへの感謝は尽きなかった。一方で心残りも。06年の監督だった阪神中村勝広GMが23日に急逝。「恩返しをしたかった。残念でならない」と声を絞り出した。

 今後については「自分がやるべきことをゆっくり考えます」と未定。11月23日の「Bs Fan-Festa 2015」(京セラドーム大阪)でファンに別れを告げる。【堀まどか】