ソフトバンク帆足和幸投手(36)が今季限りで現役を引退することが17日、分かった。今日にも会見を行う。

 プロ15年目のベテラン左腕が、チームの日本シリーズ進出を見届け、自ら退くことを決断した。11年オフに西武からFA移籍。4年契約の最終年の今季はわずか3試合で1勝に終わった。来季の戦力構想から外れたため、引退を決意した。

 西武でもソフトバンクでも工藤監督に憧れ背番号「47」を着けた。工藤監督も昨秋の就任直後に電話でアドバイスするなど気にかけていた。今季は1軍ローテーションのバックアップ要員として1年間投げ抜いた。2軍で先発として6勝3敗。1軍でもローテーションの谷間で3度先発し、いずれも6回3失点以内と試合をつくった。

 貴重な先発左腕として評価する他球団もあったが、地元福岡で現役を終えることを選んだ。4年前の入団会見で「自分は福岡で生まれ福岡で育った。自分には福岡の血が流れている」と語った地元愛を最後まで貫いた。

 苦しみ抜いたソフトバンクでの4年間だった。FA移籍1年目は左肩を故障しわずか1試合しか登板できなかった。13年には8勝、昨年は6勝1敗と5つの貯金で日本一に貢献したが、先発の柱としての立場を確保できなかった。だが、常に明るい人柄は若手のいい見本となった。右肩痛で苦しむ松坂をよき相談相手として陰で支えた。今後は未定。独特の投球フォームとパームボールで通算90勝を挙げた左腕がユニホームに別れを告げた。

 ◆帆足和幸(ほあし・かずゆき)1979年(昭54)7月15日、福岡県生まれ。三井から社会人の九州三菱自動車。午前中に練習し、午後は自動車販売の営業を行った。00年度ドラフト3位で西武に入団。04年途中から先発ローテに食い込み、同年10勝。05年には13勝と2年連続2桁勝利。西武では選手会長も務めた。家族は夫人と3女。180センチ、82キロ。左投げ左打ち。