がっしりとした体から繰り出す力強い速球で、西武黄金期を支えた“トレンディーエース”のハートを射止めた。今秋のドラフト会議で西武から2位指名を受けた北海学園大の川越誠司投手(22=北海)が5日、札幌市豊平区の学内で、渡辺久信シニアディレクター(SD)らの指名あいさつを受け「評価に恥じない選手になりたい」と、意気込みを口にした。

 偶然の出会いに感謝する。昨年のドラフトで、高校の後輩にあたる戸川大輔外野手(19)が、西武に育成枠で入団。戸川の様子を見ようと、渡辺SDらが1軍遠征の合間に北海グラウンドへ寄った時だ。打撃投手として母校の練習を手伝っていたのが川越だった。「あれは、誰だ? と。棚からぼた餅ですよ。すごく野性味があって楽しみな投手。身体能力も高く、走るのも速くて瞬発力がある」と渡辺SD。粗削りな部分は、剛速球で鳴らした元エースの目に魅力的に映った。

 アマチュアでの実績は、俊足強打の野手としてのほうが勝っている。大学入学後、中軸の外野手として活躍する一方で、投手にも再挑戦。昨春、公式戦初勝利を挙げたばかりで、リーグ戦登板は4年間で8試合しかない“幻の左腕”だ。プロ通算125勝右腕から「みなさん、あまり見たことがないでしょうが、先発の可能性も秘めている。満を持してデビュー出来ればいい」と期待を寄せられた川越は「将来的には球界を代表する投手になりたい」と、投手としての成功を誓った。【中島宙恵】