日本ハムからドラフト1位指名された明大・上原健太投手(21)が同世代のトップランナーを目指す。11日、東京・府中市内の明大合宿所で契約金9000万円、年俸1300万円で仮契約を結んだ。前日10日には神宮で東都大学リーグの1部、2部入れ替え戦を観戦。ヤクルト1位の東洋大・原とDeNA1位の駒大・今永の投げ合いに刺激を受けた。現時点では同じドラフト1位のライバルとの実力差を実感も、プロ入り後の下克上を誓った。(金額は推定)

 190センチの大型左腕の負けん気に火が付いた。前日10日、神宮に阪神1位の明大・高山らと足を運んだ。目当ては東都大学リーグの1部、2部入れ替え戦最終戦。原と今永の投げ合いを目に焼き付けた。2人はエースとして、チームの命運を託されていた。「相当、レベルの高い投手だと感じた」。軍配は原に上がったが、8日の初戦で完封勝利の今永とともに「自分にとって、いい刺激になった」と、心を揺さぶられた。

 率直に現実を直視した。「現時点で、あの2人に(実力は)及んでいない。それぞれ、チームのエースとして役割を果たしている。それが自分には足りなかった」。10月25日の東京6大学リーグ法大戦(神宮)。勝てば優勝が決まる大一番に先発も2回2/3を7失点でKO。チームは敗れ、最終的には優勝も逃した。今春から明大のエースナンバー「11」を背負った身として、痛恨の内容だった。

 苦い思い出を糧に、プロで殻を破る。ドラフト1位としては12球団最後に指名を受けた。同世代のライバルに「負けたくない気持ちが、すごい」と、プロでの下克上に燃える。まずは、チームで絶対的な存在になることが必要。第1歩として「(ドラフト同期で)入団する選手の代表として引っぱって早くチームにとけ込めるようにしたい」。グラウンド外でも責任感を持って行動するつもりだ。

 ドラフト後には広陵(広島)の1学年先輩、有原と電話で話したことも明かした。プロでの心得は「具体的には入ってから、いろいろ教える」と、言われたが「頼るだけじゃダメ。自分から進んでチームになじんで、聞けるようにしたい」と、自覚がにじみ出る。仮契約を終え「これからは、自分たちの世代を引っぱっていきたい」。同世代から得た発奮材料を成長促進剤にして、頼れる大黒柱になる。【木下大輔】