巨人ドラフト1位の立命大(関西5連盟第2代表)桜井俊貴投手(4年=北須磨)が133球の熱投実らず、力尽きた。初戦の東北福祉大戦は18奪三振完封したが、6安打9奪三振で9回2失点。亜大(東都大学)に敗れた。

 エースとして、敗戦の責任を背負い込んだ。立命大・桜井は9回2失点の数字にも、完投負けの事実を受け止めた。「打たれた球は甘かった。1点で止めたかったですけど、粘られて、負けてしまった」と唇をかんだ。2失点の口火は、一塁ベースに直撃する不運な内野安打だったが「それも実力のうち。ああいうところで抑えないと。今後の反省」と自らの糧とした。

 敗戦直後でも、投球内容も冷静に振り返った。前回登板の13日東北福祉大戦では大会タイ記録の18奪三振をマーク。カウント球、勝負球にも有効で、7奪三振を奪ったチェンジアップが伝家の宝刀。だが、亜大打線には「研究されていて、見られた。低めは振らないと徹底された」。2本の適時打は高めの直球、高めに浮いたスライダーだった。

 真価を発揮したのは、3回以降だった。「変化球を見られた」と分析し、最速143キロをマークした直球を軸に、両コーナーにボールを散らす配球に変えた。「直球で押せるところは押そうと。両サイドを使い出してから、チェンジアップが決まった」と4回には直球とチェンジアップで3者連続三振。計9三振のうち、チェンジアップが5個で直球は4個だった。

 中1日の登板で133球を投げ抜き、大学野球が終わりを告げた。「充実した4年間。成長させてもらった」と、周囲と仲間への感謝の言葉を並べた。次なる舞台は、巨人のドラフト1位で飛び込むプロ野球界。「課題はいっぱいあるが、克服して。変化球の精度を上げて、いかに真っすぐを速く見せるかを突きつめようと。2ケタ勝利を目指したいです」。さらなる成長を誓う、秋の1日だった。【久保賢吾】