DeNA熊原健人(22)が誕生した。ドラフト2位指名を受けた仙台大の最速152キロ右腕は19日、仙台市内のホテルで契約金7500万円、年俸1200万円でDeNAと仮契約を結んだ。今年、新人最多37セーブを挙げたチームの守護神・山崎康晃(23)の活躍を刺激にして、開幕1軍を目指す。

 プロの夢がかなった。仮契約を終えた熊原の表情は晴れやかだった。ドラフト指名の10月22日から約1カ月。「日に日にDeNAベイスターズの一員になったという思いが強くなった」。69年の野球部創部から47年目。仙台大初のプロ野球選手が誕生した。

 絶好の手本がいる。1年目からDeNAの守護神となった山崎だ。熊原が大学日本代表に選ばれた昨年6~7月、一緒にプレーした。ブルペンで並んで投げたこともあった。「ピンチでもぶれない。何でそこに投げられるのだろうと思うほどコントロールが良くて」と驚く。それだけに「いいところを吸収して、成長できれば」と目を輝かせる。

 起用法には「希望は特になくて。与えられたところで」と、中継ぎOKの謙虚な姿勢を見せた。キャンプ、オープン戦などの投球を見て、ラミレス新監督ら首脳陣が決めることになるが、同席した吉田孝司スカウト部長は「先発でやってもらいたい」と期待した。

 生まれ故郷の宮城・角田市もバックアップする。同市からも初めてのプロ野球選手。大友喜助市長を名誉会長とし、市民約40人の後援会が結成される。来月7日には熊原が出席し、市内で激励会を開催。会場の使用料は市が負担する。

 「まずは開幕1軍。まずは1勝。その積み重ねで新人王なら、うれしい」と言った。27日に入団発表、翌28日にファンにお披露目される。周囲の大きな期待に応えるためにも、熊原がいよいよDeNAでの第1歩を踏み出す。【久野朗】(金額は推定)