「脱・ルーティン」でレギュラーをもぎ取る。楽天ドラフト3位の早大・茂木栄五郎内野手(21)が25日、都内のホテルで入団交渉に臨み、契約金6000万円、年俸1200万円(金額は推定)で合意した。

 イーグルスの真っさらなユニホームに袖を通し、決意を固めた。「もうルーティンは封印です。声よりも、プレーや技術に注目していただきたいので」。東京6大学リーグでは、左打席でバットを突き出し「よし、来ーい!」と叫ぶ姿で親しまれた。しかし結果が全てのプロの世界では、持ち味の気迫を全てプレーに集約させる覚悟だ。

 171センチ、75キロの体ながらリーグ戦79試合で打率3割7厘、10本塁打、58打点を記録した。沖原スカウトの打撃評は「パワーがある。体格は違いますが、スイングを見たら金本さんのよう」。本職の三塁に加え、二塁、遊撃を守れる内野のスペシャリストでもある。同スカウトは「走攻守の3拍子そろって足も速い。球界を代表する選手になれる可能性がある」と続けた。

 早大の栄「五郎」。時の人となった同窓の先輩ラガーマン五郎丸歩のように、最高峰を目指す。「最終的な目標は3冠王ですが、まずは1軍に入ってレギュラーを取ること。初球から振り抜く積極性を見せていきたい」。市立小金井第四小時代に西武ドームで見た憧れの人、松井稼からも積極的に学んでいく。「華麗で、夢を与える選手。全てを学びたい」。まずは大きな声で、力いっぱいに楽天の門をたたく。【松本岳志】