DeNA熊原健人投手(22)が、上々の1軍デビューを果たした。6点を追う6回から2イニングを投げ、2安打無失点。リリーフカーに乗って登場したルーキー右腕は「1軍で投げることが大学時代からの目標だった。リリーフカーからマウンドに向かうときに予想以上に人が多くて…。今まで見たことがない光景だった」と興奮気味に振り返った。

 昨季、トリプルスリーを達成したヤクルト山田から自身初の三振も奪った。7回2死一塁。「緊張はなかった。思い切り、勝負を楽しめた」と、カウント2-2から落差ある123キロのスライダーで空を切らせた。球界屈指の好打者を沈めた。「テレビで見ていた人が前の前にいた。同じ(打撃)フォーム、同じユニホーム。『これは本物だ』と思った。1軍で投げているなと実感できた」とマウンド上での心境を明かした。

 開幕直前に右脇腹の違和感で2軍再調整となっていた「背番号1」が、2軍戦で結果を残し1軍登板を勝ち取った。明るい話題の一方で、チームは今季6度目の完封負けで連敗。セ・リーグ全ての借金11を背負い込んだ。アレックス・ラミレス監督(41)は「(ヤクルト山中に)いい投球をされた。序盤に失点したことで彼を助けてしまった」と唇をかんだ。