プロ野球巨人が、原辰徳前監督の金銭問題を巡る週刊文春の報道で名誉を傷つけられたとして、発行元の文芸春秋に損害賠償などを求めた訴訟で、最高裁第3小法廷(木内道祥裁判長)は29日までに、巨人の上告を受理しない決定をした。28日付。巨人敗訴の2審判決が確定した。

 確定判決によると、週刊文春は2012年6~7月、原監督が過去の女性問題に絡み元暴力団員に1億円を支払ったとの記事を掲載。暴力団員と知って金を渡した場合は野球協約違反となるため、巨人側が記者会見で「反社会的勢力ではない」とうそをついたとも報じた。

 1審東京地裁判決は、記事の内容が真実と信じる理由があったとして巨人の請求を棄却。2審東京高裁も「巨人の担当者が会見で虚偽の説明をしたと推認できる。記事の主要部分は真実だ」と支持した。

 読売巨人軍広報部は「事実誤認の甚だしい不当な判決が確定したのは極めて遺憾だ」とコメントし、文芸春秋は「記事の正当性を認めた当然の決定と受け止めている」とした。