ヤクルト山田哲人内野手(24)が6日、DeNA19回戦(横浜)の初回2死から、今季30個目の盗塁を決めた。昨季に続いてトリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁)の条件を現時点で満たした。山田を含め、過去10人が記録しているが、2年連続となればプロ野球史上初の快挙。

 経験者が感じる、ヤクルト山田の2年連続達成の価値とは-。02年に打率3割3分2厘、36本塁打、33盗塁で、史上8人目のトリプルスリーを達成した楽天松井稼頭央外野手(40)は「打率も本塁打も、2年続けるのは本当に大変なこと。ただ、個人的には30盗塁が特に素晴らしいと思う」と感嘆した。

 松井稼 僕の2年目(03年)は打率3割5厘、33本なのに盗塁だけが13で30に届かなかった。走ることが持ち味の選手なのにね。すごく悔いが残りました。

 なぜ30盗塁に届かなかったのか。「走る意欲が衰えていました」と回顧する。初の30本塁打超えを果たした翌03年。1番から3番に座る機会も増え、40発への意識が生まれた。「大きい当たりを打ちたくなって、気づけば走れなくなっていました。気持ちの問題です。だから山田君が高いモチベーションを持って走る姿を見るたびに、すごいなと思うんです」。

 二遊間を守り、クリーンアップに座りながら偉業に挑む山田に、最大限の敬意を払っている。「攻守に負担の大きい場所でやりながら、走る意欲の衰えない点がすごいところだと思うんです。そんな彼だから、きっと達成できると思っていますよ」。偉業確定の瞬間を心待ちにしている。【楽天担当・松本岳志】