エッ、やっぱり三塁コンバート!? 阪神高山俊外野手(23)が10日、甲子園で行われた秋季練習でチャージ&スローイングの特訓を受けた。前日9日から小さな内野手用グラブを用意し、この日は三塁の定位置でノックを捕り、一塁送球を繰り返した。今季はセ・リーグ外野手で最多の6失策。1年目から非凡な打撃センスを示しただけに、堅守が備われば鬼に金棒だ。

 秋晴れの甲子園がざわつく。守備練習する高山が左翼で打球処理を終えると、三塁へ。大和、今成とともにノックを捕り、一塁送球を繰り返す。久慈内野守備走塁コーチが打球への入り方を教えれば、捕球する平田チーフ兼守備走塁コーチは球筋を確認する。2月の沖縄・宜野座キャンプで試しに三塁を練習した。来季は三塁挑戦…。だが、周囲の推測は肩透かしだった。

 平田コーチは「(外野守備担当の中村)豊と一緒にスローイング練習をやっていこうという話になった。三塁から投げることで見える部分がある。だんだん良くなった」と説明。見慣れない光景はチャージ&スローイングの矯正だった。最初はシュート回転した球筋は次第に安定した一直線の軌道を描く。高山も「送球だけじゃなく、捕球することも含めてです」と言う。

 今季、球団の新人史上最多のシーズン136安打を記録した。来季はレギュラーの筆頭候補だが守備は課題だ。セ・リーグ外野手で最多6失策。課題克服のマル秘アイテムは小さな内野グラブだ。中村外野守備走塁コーチは「(小さいグラブは)しっかりゴロを捕るための練習。下半身を使って(打球に)入らないと(操作が)難しい」と説明。小さいため、正確に捕って投げる動作が求められる。内野手の動きを外野守備に生かす狙いだ。

 キャッチボールでも球の握りを確認するなど、細かい動きをチェックした。高山は「スピンが利いた球を投げられるように。課題は打撃も守備も、たくさんある」と言う。堅守あればこそ、レギュラーは揺るぎない。【酒井俊作】

<高山守備での苦闘>

 ◆3月25日中日戦(京セラドーム大阪) 開幕戦に1番左翼で先発も、3回に荒木の飛球を取り損ないプロ初失策。1回先頭打者として初安打したが、反省含みのデビュー戦となった。

 ◆6月5日西武戦(甲子園) 3回に秋山の左前への打球を目測を誤って後逸し、三進を許す。金子侑の犠飛で勝ち越し点を献上。「最悪なプレーをしました」。

 ◆8月6日ヤクルト戦(神宮) 3回無死満塁、西田の左前打をファンブル。2人がかえる適時失策となってしまい「ミスです」。

 ◆8月27日ヤクルト戦(甲子園) 1回無死一塁、三輪の左前打を後逸。二、三塁とされ、ここから2点を失った。「単純なミスなので…」。