沖縄の厳しい西日が照りつける中「ハイ、修!」「ハイ、慎之助!」と選手を右へ左へ走らせた。笑いと拍手につつまれた1時間。3選手のユニホームは土で真っ黒に汚れた。計347球のノックを浴びせ終えると「たまたま主力が特守を受けるタイミングと合った。捕る方はもっと疲れたと思うけど打つ方も疲れました」と、充実した表情を浮かべた。

 キャンプ序盤、チームはOBらから元気のなさを心配されていた。11日に長嶋氏からミスター魂を注入されると、少しずつ変化が生じていた。そこに、巨人伝統の指揮官から主軸への期待を込めた「鬼ノック」を復活させた。自らが一緒に汗を流して情熱と元気を注いだ。声を張り上げて横っ跳びをする主軸の姿に「まだまだ力のある選手たちですし、彼らが元気だとチームにとって大きな存在。若手がもっと刺激を受けてくれればいいと思う」と、うれしそうに目を細めた。

 今日17日の休養日があけると、18日の韓国・サムスンとの練習試合から実戦が始まる。「味方とする紅白戦とは違うし、ある意味やりやすさもあると思う。結果として少しでも見せてもらえれば」と望んだ。元気をさらに上積みした巨人ナインの、激しいサバイバルの幕が開く。【浜本卓也】