今季限りで現役引退するBCリーグ福島の選手兼任監督、岩村明憲内野手(38)が10日、都内で引退会見を行った。

 会見の冒頭は自ら引退のあいさつを行った。

 「21年間という生活になりましたが、いろいろな思い出があり、振り返るのは難しいですが、1試合1試合全力で駆け抜けてきたという感じです。両親、家族に感謝しながら、野球生活を続けられたことを誇りに思ってます。これからも野球界に携わっていきたい。経験したことを後輩たちに伝えないといけないという覚悟で精進していきたい」と言った。

 引退を決意した理由については「今BCリーグに在籍していますが、プロ野球から離れて3年目。自分の中で引き際をどう決めたらいいかという思いは1年目からありました。ただ体が動くうちは野球をしたかった。若い選手とともにここまでやってきました。BCリーグにはいろいろなルールがあります。監督という立場で選手を育てていく中で、自分の名前が選手の足かせになっているところもあった。トータル的に考えて、今年いっぱいで引退した方がいいのかなと、自分の中で結論を出しました」と説明した。

 思い出の試合については「18歳でドラフト指名して頂き、多くの試合を経験させて頂いた。昨日、長野で試合があって帰りの新幹線でいろいろなことを考えながら帰ってきました。いろいろ考えたが、1試合に絞るのは難しい。その中で数試合挙げさせてもらいたい。01年でヤクルト優勝した瞬間、自分の母親が亡くなった日に試合に出てホームラン2本打てたことも、母親が打たせてくれた。あとはWBCでの世界一になった瞬間も大きかった。ボストンでのアメリカンリーグチャンピオンシップの第7戦も印象に残ってます」と話した。

 会見は福島・郡山市でも行う。

 岩村は96年に宇和島東高(愛媛)からドラフト2位でヤクルトに入団。06年までプレーした後、07年に米大リーグのデビルレイズ(現レイズ)に入団。08年にはワールドシリーズ進出を果たした。パイレーツ、アスレチックスと3球団に所属した後、11年からは楽天、13年からはヤクルトにそれぞれ2年間在籍。15年に福島ホープスの選手兼任監督に就任した。

 NPBで13年、MLBで4年の計17年間で1585本(日本では1172本)の安打を放ち、強打の内野手として活躍した。WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)では06年、09年の日本代表選手として、2大会連続の世界一を経験した。