不動の4番離脱のピンチだ。ソフトバンク内川聖一外野手(34)が7回の打席で首の左前部分を痛め途中交代。試合中に横浜市内の病院へと向かった。セ本拠地でDeNA戦(横浜)。指名打者制が使えない影響も感じさせぬ打線の破壊力で勝利したが、内川を欠くことになれば大きな痛手となる。

 試合終盤、アイシングをしたままの姿で内川はタクシーの後部座席に乗った。トレーナーとともに横浜市内の病院へ向かう表情には無念さがあふれていた。

 7回1死、DeNA左腕砂田の3球目、チェンジアップに強振したが、タイミングを外され空振り。バットの遠心力に引っ張られるような形となった。顔をゆがめ、左首の部分をさするしぐさを続けた。ベンチに戻り治療後、1度はグラウンドに姿を見せたが、プレー続行をあきらめ、代打川島と交代した。三森トレーナーは「左首の前の部分。本人は痛みがあると言っている」と説明。精密検査を受けるため球場を離れた。

 工藤監督は「大事になっていないように祈るしかない。抹消することなく、最悪(週明けの)福岡で戻れる状態であってほしい。明日(3日)本人と話してみます」と不安そうに話した。状態を見て決めるが、1、2試合は外す覚悟だ。この日も初回は四球を選び一挙4得点につなげた。2回の第2打席では「次の1点が大事だと思っていた」と、左犠飛で追加点を奪った。ここまで全53試合4番一塁で出場。チームトップの打率3割3分をマーク。11本塁打、43打点と開幕からずっとチームを引っ張り続けてきた。今季の安打は64本を数え、通算2000安打にあと40本と、偉業に確実に近づいてもいる。

 内川不在となれば、中村晃が一塁に入り上林が右翼に入ることで、2人を同時に起用することができる。だが、頼れる4番の長期離脱だけは避けたいだけに、慎重に復帰時期を見極めなければならない。【石橋隆雄】