阪神鳥谷敬内野手(35)が「完全復活」を告げるヒットショーだ。
壮絶な顔面死球から9日。甲子園での復帰先発で、普段通りの姿を披露した。前日までヘルメットに付けていたフェースガードを外し、負傷前の格好に戻る。違和感のない視界が何よりの武器だろう。
「(フェースガードが)なければ、ない方がいい」
敗戦後は口数少なくクラブハウスに消えたが、ヒットマンらしい感覚を取り戻したのが明るい話題だ。4回1死後、原口の先制弾に続く。詰まりながらも振り抜いた飛球は中堅前にポトリと落ちる。6回には高梨のカーブをとらえ、痛烈なライナーで右前へ。8回は一、二塁間をゴロで破る。切れ味鋭い腰の回転で、4月4日ヤクルト戦(京セラドーム大阪)以来約2カ月ぶり2度目、大ケガから復帰後初の猛打賞だ。
長年、第一線で体を張ってきた「勲章」が近づいてきた。この日の3安打で、交流戦通算301安打は歴代2位。トップに立つ中日和田一浩の304安打に肉薄する。追い抜くのも、時間の問題だ。「ラッキーなヒットもあったので、何とも」と謙遜するが、悪夢の鼻骨骨折から、はい上がった闘争心は筋金入りだ。
2000安打まで残り82本に迫り、着実に階段を駆け上がる。5月24日巨人戦で吉川光から死球を食らい、金本監督は「左投手はまだちょっと怖いだろうし、まずは右から慣れていこう」と話していた。同30日ロッテ戦では5回に左腕土肥と対戦し、肩口からの浮いた変化球を左前に運ぶ。死球の残像をかき消す一打だった。恐怖に打ち勝って再び前へ。「不死鳥」の視界は良好だ。【酒井俊作】
▼鳥谷が3安打の固め打ちで、交流戦の通算安打数を301として、和田(中日)に続き史上2人目の300安打を達成した。通算では1110打数301安打で打率2割7分1厘。カード別では楽天戦が56安打と最も多く、オリックス戦が42安打で最も少ない。



