楽天岡島豪郎外野手(27)が今季初の3番起用に応えて、勝利に貢献した。3日の中日との交流戦。3回に左中間を破る先制二塁打で流れを呼び、3点を追加した6回には左翼線二塁打で口火を切った。13年の日本一を知る左打者は2安打1打点で、打率は3割1分5厘に上昇した。5-1で快勝した首位楽天は、貯金を再び21とした。

 広角に打ち分ける技術を持つ、岡島らしい一撃だった。3回2死一塁、1ボールからの速球を左中間へ流し打つ。「積極的に行こうと感じていた」。中日の先発は新人の柳裕也(23)。初対戦の投手から序盤に得点を奪えないと、中盤以降は嫌なムードが漂う。それを振り払う先制二塁打だった。梨田監督は「よく打ちましたね。柳が思ったより良かったので」と頬を緩ませた。

 主に7番を任される岡島は前日2日の試合後、今季初の3番を告げられた。「びっくりですよ」と笑ったが、試合になれば気持ちを切り替えて集中した。「打順がどうこうじゃなくて、自分ができることをやるだけ」。6回にも1死から2本目の二塁打を放ち、追加点のきっかけをつくった。7回2死一塁では踏み込んでスイングをしようとしたため、内角球をよけきれずに死球。体を張ったともいえる出塁が、続く4番ウィーラーの適時内野安打を呼んだ。

 今季の楽天は、2~4番の打順は外国人3人が多い。3番に島内が入るケースもあったが、梨田監督は「今の状態を考えると岡島がいいのかな」と説明した。交流戦最初のカード、巨人戦は2試合にスタメン出場し、いずれも打点を挙げた。エース則本が7試合連続2桁奪三振のプロ野球記録を樹立した1日の一戦は、中越えに決勝三塁打。この日も勝負強さと最近の好調ぶりを発揮して、3番起用に応えてみせた。

 楽天は連敗がまだ1度しかない。「チーム全体に(連敗はしたくない)雰囲気がある。いいモチベーションがあるから、試合を取れる」と胸を張った。日本一に貢献した13年は、シーズン後半から「1番・右翼」でレギュラーに定着した。打順は当時と違っても「打てると思ったら積極的に。今年は頑張ります」。プロ6年目の男は、プラス思考を心得ている。【久野朗】