試合前、栗山監督は「翔の打順を変える」と、自ら切り出した。2日連続で中田と話し合った末に出した結論だった。前夜、チームは今季3度目の6連敗を喫した。4番の調子も悪かった。「翔が翔らしくならないと勝てない」と、4番の重圧から一時的に解放させた。
連敗を止めると同時に、栗山監督にとって通算400勝の節目でもあった。「何のことか分からなかった」と、試合終了直後にセレモニーにも驚いたが、何より感極まったのは中田の決勝打だ。「感動したね、久々に。野球の神様は見てくれていると、今日は感じた」。中田は凡打でも、全力疾走した。守備でも、必死に打球を追った。求め続ける姿を見せてくれたことに、価値があった。
ウイニングボールは、中田から栗山監督へ手渡された。その場で「400勝」と手書きした。筋書きがあるはずはないが、劇的なドラマを「3番中田」が、完結させた。【木下大輔】




