巨人菅野が好投もリーグ再開戦で白星に導けなかった。1点が重かった。3回2死三塁から慎重を期し連続四球で満塁。切り抜けたがイニングで31球を要した。そして4回。昨季12打数6安打と苦手な森野に二塁打を浴び1死二塁で福田が分水嶺(れい)となった。2球連続内角球を見逃され2ボール。「全く反応していなかった」。3球目に選んだ外角カットボール。やや甘めに入り、センター前に運ばれた。

 打者の反応を配球に生かせなかった。「打たれたのは後悔が残る。読まれても抑えないと」。それでも流れは断ち切った。福田の適時打以降は1人の出塁も許さず、8回まで3者凡退を静かに続けた。要所の120キロ台のパワーカーブで的を絞らせない。「(小林)誠司がしっかり導いてくれた。捕手との投球の中での会話で」。試合を築くエースの責務は果たした。

 ただ、1点はバルデスの前に致命傷だった。試合前まで通算1勝1敗も防御率2・02と相性は悪い。「バルデスだからというより、先に点を与えないようにと毎回、気持ちを持っている。投げる間は完封を狙い、1点を取られれば長いイニングを逆算する。ただ今日はあの1点が命取りだった」。エースで勝てず、3連勝で止まり5位に転落した。【広重竜太郎】