新潟は巨人3軍に5-3。先発の中西啓太投手(25)が6回を5安打3失点の粘りの投球でチームに後期リーグ初勝利をもたらし、このカードを1勝1敗1引き分けの五分に持ち込んだ。昨季まで新潟に所属した巨人高井俊(すぐる)投手(21=見附市出身)は23日に続くこのカード2度目の登板。7回裏1イニングを1安打無失点に抑えた。

 追いすがる相手を振り払うように、中西は要所を締めた。3回は1死から2連打、4回は巨人の3番マルティネス(24)に右翼へのソロ、6回は2死から適時打を許した。それでも失点は各回とも1点止まり。「身の丈の投球をしようと思った。冷静に投げられた」。無四死球で7個の三振を奪う。序盤のリードを守り、自身にとって前期最終戦の栃木戦に続く勝利で、今季4勝目を挙げた。

 「ブルペンでは調子がよくなかった」と言う。巨人相手に力みがある自分に気づいた。それでもマウンドでは慌てない。「低めのスライダーと直球でまとめた」。最速147キロの直球は、この日は143キロと少し抑えめ。緩急をつけて相手打線に的を絞らせない。加藤博人監督(48)は「タイミングの取り方が良くなってきた。ある程度いけると思っていた」と安心して見ていた。

 中西は前期リーグは3勝5敗、防御率4・91。昨季10勝を挙げ、今季はドラフト指名を目指すエースが不振に陥った。「力んで投げてばかり。少しためをつくるようにさせた」と加藤監督はフォーム修正を直接指導。左足を上げたところで、1度止めることを意識させた。

 中西は普段、試合前はノースローで調整する。それが今回は前々日から50球以上投げ込んだ。「今はフォームを安定させることが大事」と課題を忘れない。強敵相手の勝利で手応えはつかんだ。「チームが勝つことを強く考えた。これからもそれを続けていく」。それが目標のプロ入りにつながることは分かっている。【斎藤慎一郎】