日本ハムが苦手の楽天岸を攻略できず、今季7度目の零封負けで2カード連続負け越した。栗山英樹監督(56)は接戦に持ち込む青写真だったが、初回に3点を先行され、追いかける展開に。勝てば自力優勝の可能性が復活した試合に完敗し、首位楽天とは今季最大タイの16ゲーム差。上位浮上のきっかけはつかめなかった。

 出はなをくじかれ、重苦しくなった雰囲気を打開できなかった。日本ハムの最終9回の攻撃も、あっけなく3者凡退で終わった。栗山監督は「すばらしいピッチャーなので…。だから、岸から点が取れないじゃ、ダメなんだけど」と、視線を落とした。西武時代から苦手とする好投手を相手に、試合開始直後の3点ビハインドは重すぎた。

 栗山監督は4試合ぶりに小技に長ける中島を2番に据えた打線を組んだ。「先に点を与えない試合展開を選択した」と意図を説明した。大量点は望まず、接戦で勝ちきるイメージだったが、前提が崩れては苦しい。3点を追う初回は1番大田が中前打で出塁し、中島は強攻で捕邪飛。3回も1死から大田が中前打を放ったが、中島は凡退。小技を使う展開に持ち込めず、序盤の好機に4番中田、5番レアードも快音は響かなかった。「チャンスがないわけではなかった。ここ一番の勝負で、点を取らせてもらえなかった」と、振り返った。

 勝てば自力優勝の可能性が一夜で復活する試合も、力負け。これで首位楽天に負け越し、ゲーム差は今季最大タイの16ゲーム差となった。リーグ連覇へ道は険しすぎるが、休日明けの27日ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)から今季初の8連戦が控える。「何も考えずに、行くしかない。まずは、オールスターのところまで、目いっぱい行くということしか、できない」と、前を向いた。福岡で仕切りなおし、上位浮上への流れに乗る。【木下大輔】

 ▼日本ハムは打線が散発5安打に封じられ、今季7度目の完封負けを喫した。今季5安打以下は14試合(1安打1試合、4安打2試合、5安打11試合)あり、1勝14敗。ちなみに完封勝ちは5月2日11-0ロッテ(札幌ドーム)の1試合しかない。