楽天が初開催の青森の地で強さを見せた。オリックスを3-2で下し、1分けを挟んで3連勝。貯金を今季最多の22に伸ばした。青森での1軍公式戦は88年の広島-ヤクルト戦以来29年ぶり。球団は創設13年目にして初めて、主催試合を東北6県すべてで行った。記念すべき日に青森出身の細川亨捕手(37)が辛島航投手(26)ら4投手を好リードするなど、接戦をものにした。

 松井裕が9回を3者凡退で締めると、弘前の夜空に歓声が響き渡った。4投手を1人でリードしたベテラン細川は感慨深げに言った。「勝ち試合を見せられて本当に良かった。今日はそれですね」。青森県開催は1軍公式戦では29年ぶり。思い入れは人一倍だった。

 東津軽郡平内町出身で、青森北高から青森大へ進んだ生粋の津軽人。プロ野球は身近なものではなかった。「小さいころ、プロの試合を見たいと思ってました。本物のプロを見ることで、青森の子どもたちも大きな夢を描けるんじゃないかな」。ソフトバンクから移籍初年。正捕手・嶋が左足甲打撲も重なり、今季初スタメン、移籍後初安打を愛する故郷で迎えた。

 「東北楽天ゴールデンイーグルス」。東北を冠する球団にとっても、6県制覇は念願だった。立花球団社長は「青森のパワー、青森の方の思いが募った。6県でやらせていただく意義もある。今日来て、ファンの顔を見てると待ち望んでいてくれた」とうなずいた。今後も東北6県での開催をベースにする方針も示した。