ああ、2年ぶりの2戦連続完封負け…。広島打線が先発菅野ら巨人投手陣の前に4安打無得点に抑えられた。けん制死や併殺などがあり、チャンスを作ることもできなかった。6月11日以来の連敗は、15年9月25日以来の2戦連続完封負け。それでも2位阪神が敗れ、前半戦を首位で折り返すことが決まった。

 最後の打者丸が空振り三振に倒れ、広島のスコアボードに「0」を9個並べられた。巨人菅野の力と切れ、そして技のある投球の前に強力打線が封じられた。2回1死一塁はけん制死。5回1死一、二塁は併殺で逃し、三塁すら踏むことができなかった。菅野が降りた終盤も、7回1死一塁から併殺。点差が広がった9回1死一塁も、あえなく後続が凡退した。

 中4日でぶつけられた巨人のエースをたたけなかった。緒方監督は「1点1点という攻撃をしっかりとしたかったけどね」と菅野の出来の良さを認めた。石井打撃コーチも好投を認めた上で「昨日の流れをそのまま引きずってしまったかな。それなりの対策を考えてゲームに入ったけど、なかなか点を取れなかった」。前日4安打に抑えられた左腕田口の残像も、広島打線を苦しめる遠因となった。2戦連続完封負けは、15年9月25日までの3戦連続以来で2年ぶり。31イニング連続タイムリーなしと、広島打線がひとつの踏ん張りどころを迎えている。

 敗戦後、選手の表情は悔しさに満ちていた。首位を独走する緩みや隙などみじんもない。この日3打数無安打2三振に終わり、試合終了をネクストバッターズサークルで見届けた鈴木は、試合終了後ベンチ裏のスイングルームにこもった。出てきたのは1時間後。汗を拭いながら「いい投球をされた。今日は何もありません」と絞り出した。チームの敗戦を一身に背負う22歳はバットを振り、前を向く力に変えた。

 緒方監督も「攻撃、守りすべての面で反省すべき点は反省して。また次に生かせるようやってにいくだけです」と前を向いた。後半戦の首位での折り返しが決まったが、1つの敗戦に怒り、悔やみ、そして動く。勝利への飢餓感は薄れていない。まだまだ広島は、強くなれる。【前原淳】