オリックスが猛打爆発で3連勝&3カードぶり勝ち越しを決めた。駿太外野手(24)が3回までに2本の三塁打を含む3安打など、日本ハム斎藤を4回8失点KOに追い込んだ。観戦した宮内義彦オーナー(81)も「強いなあ」とご満悦。3位西武とは6差で変わらないが、借金は4まで減らした。今日12日の前半最終戦は今季初登板の大谷を攻略し、後半戦につなげる。

 序盤からオリックス打線の勢いが止まらない。3回までに10安打7得点で試合を決めた。2試合連続1番起用の駿太が大暴れ。1回は二塁打で先制のホームを踏むと、2回は4点差に広げる右翼線への2点三塁打。3回も中越えの2点三塁打と、この時点で今季4度目の猛打賞を決めた。

 「駿太秋冬、絶好調! 良かったです。奇跡です!」。お立ち台では先日刈り込んだ丸刈り頭を披露し、Tシャツ販売もされた「春夏秋冬」に引っ掛けた決めゼリフを叫んだ。1試合3三塁打の日本記録は逃したが、2三塁打は球団では13年4月29日楽天戦の糸井(現阪神)以来の活躍だった。

 打撃の飛躍を期待されてはや6年が過ぎた。今年は背水の年と位置づけている。春のキャンプではカーボン製など軽いバットを振りまくった。スイングスピードを上げるため。そうすれば球をより引きつけられる。この日、納得したのは2本目の三塁打。「体が泳いで、前でさばいて、それでも外野の頭を越えられた。あれが理想」。少しずつ成果は出ている。

 9日には同じ外野手の吉田正が戦列復帰。駿太は危機感を隠さない。「打たないと試合に出られない。チームに強力な打者がいっぱいいるんで。守備が良くても打たないと。毎日打たないとダメ」。尻に火がつき、自己最多タイとなる3年ぶり4打点につながった。これも吉田正効果か。観戦した宮内オーナーも「良かった。いや~、強いなあ。面白いよね。ロメロが戻ってきたら強くなったり、吉田正が帰ってきたらまた勝ったり」と喜んだ。

 福良監督は「今日はやっぱり駿太」とたたえた。吉田正とロメロの3、4番が固まり、指揮官は「1、2番の出塁率がカギ」と掲げた。この3連勝の各安打数は12、11、13。この日はクリーンアップ以外で10安打と活発だ。14年CSを含めて、過去1度も黒星をつけられていない大谷を攻略できれば、後半戦へ最高の弾みとなる。【大池和幸】